「御社の未来に“納得解”はありますか」(2010/04/22)
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▼はじめに
前回のコラムで予告しました通り、
弊社企画イベント「リンカーン交流会」において、
ゲストスピーチでお話し頂いた藤原和博氏が、
常々仰っている「正解から納得解へ」という考え方を
住宅業界に当てはめて、色々と考察して参りたいと思います。
藤原和博氏は、東京都杉並区の和田中で
民間初の校長先生として、矢継ぎ早の教育改革を成功に導き、
今は大阪の橋本府知事の特別顧問として活躍され、
日本の未来における教育の礎を創られているということは、
最早、周知の事実でございます。
実は、個人的にも、古くから藤原先生をお慕い申し上げておりました。
藤原和博先生との出会いは、私が大学3年生の冬でした。
当時、就職活動中の私は、リクルートという会社の説明会にいました。
それまでの人生において、「働くこと」なんて一切考えずに、就職活動を迎え、
「働くとは何か?」という壮大な問い掛けに、悩んでおりました。
その説明会のテレビ画面に登場したのが、
リクルート出身者の中では、「営業の神様」として
伝説にもなっている藤原和博氏でした。
そのときに話していた内容が、
当時、右往左往していた就活生の心にグサりと刺さりました。
「昔の日本みたいに成長している時代には、
間違いなく“正解”というものが存在した。
だから、その正解の中で、“勝ち組”と“負け組”というのが決定した。
世のサラリーマンは、勝ち組を目指して、出世競争に勤しんだ。
しかし、今の日本は成熟化社会だ。
成熟化社会には、残念ながら、正解というものは存在しないんだ。
だから、“勝ち組”や“負け組”なんてもんは存在しない。
ただ、“納得組”と“不満組”というものは、確かに存在する。
つまり、成熟化社会を読み解く鍵は、“納得”と“不満”なんだ。
それは、自分が決めるんだ。」
というような内容でした。
その瞬間から、私の就職活動と働き方の指針は、決まりました。
「俺は納得組になるんだ。」
私はそこから、「自分なりの納得解を見つけられる」
という想い(基準)で、LCAという会社を選び、
藤原氏はその後、「納得解を導き出す力」を
学生に教えていこうという考えで教育現場に自ら入っていき、
飛躍的に中学生の学力を向上させ、
その足跡は「和田中改革」と呼ばれています。
▼正解のない住宅業界
さて、私は入社後、住宅不動産事業部に配属されました。
コンサルタントという立場で、寝る間も惜しんで、悪戦苦闘する中で、
住宅不動産業界と向き合って参りました。
新米コンサルタントして、
住宅のことも不動産のことも、
何も分からぬまま現場に飛び込んで、
クライアントの皆様に育てて頂きながら、
時に、職人さんや大工さんに叱られながら、
上司にこっぴどく怒られたり、、、
実際に消費者に接客をさせて頂いたり、、、
現場監督と一緒に建築資材を運んだり、、、
塩漬けの分譲地を前に、立ち往生したり、、、
そんな様々な場面で、やはり住宅業界にも
「正解」から「納得解」が求められているのだということを
肌身に感じる日々でございました。
住宅産業は、「成熟期」から「衰退期」に
差し掛かろうとしていました。
日本の斜陽を表すキーワードとなっている
「内需純潔主義(鎖国)」「ガラパゴス化」は、
そのまま住宅産業に当てはまり、日本経済の縮図でした。
「伸びる市場」に、万人に共通するような「正解」があったとしても、
「縮む市場」においては、万人に共通する「正解」なんてありません。
そもそも、衰退産業においては、今の延長線に未来が描けないのですから。
●正解の見えない住宅産業
●正解の見えないクライアント様
●正解の見えないお客様
●正解の見えない集客活動
一方、そのような中で、経営者の皆様は答えを探すのに必死でした。
情報収集に余念がなく、様々な成功事例を集めては、
自分の会社にどんどん当てはめていきました。
●「住宅会社の成功法則は?」
●「あるべき上司像は?」
●「あるべき集客手法は?」
●「営業のあるべき姿は?」
●「お客様は何を求めているの?」
答えらしきものを見つけては、朝礼で社員に、
「これからの住宅はこういうものだから」と伝えます。
上司はやはり部下に、
「いいから、○○しなさい。」と伝えます。
部下はお客様に、
「うちの商品は、○○というところが強みです。」と伝えます。
お客様は、インターネットや雑誌を読み込んで、
一生懸命に、情報収集します。
でも、誰も見つけられません
肝心の「正解」が。
●戸建住宅を提供している会社は、70,000社くらいあります。
●日本の最大手建材メーカーは、なんと3兆種類の商品を持っています。
●当然、住宅商品は、無限にあります。
●住宅ローンの種類は、4,500通りあるといわれています
そのような中で、絶対的な解なんて見つかるはずがありません。
これからも、タケノコのように商品は増え続けることでしょう。
その中で、正解を求めることはどんどん困難になっていくことでしょう。
だから悩むのです。
部下が行動するまでに時間が掛かるのです。
お客様が契約するまでに時間が掛かるのです。
もちろん、正しい解は大切です。
そして、それを捜し求めていくことに、哲学や考え方が表れるのでしょう。
ただ、本当に重要なことは、やはり「納得解」ではないでしょうか。
●社員が(を)納得する(させられる)かどうか
●部下(を)が納得する(させられる)かどうか
●お客様(を)が納得する(させられる)かどうか
今の活動を、すべて「正解」ではなく、
「納得解」に置き換えていくと、どうでしょう?
また違う景色が広がってくるのではないでしょうか。
▼求められるのは情報編集力
では、「納得解」を導き出すために重要なことは何でしょうか?
藤原和博先生は、その方法論もまた明確にしていらっしゃいます。
「正解」を出すために必要なことは、
数ある情報の中から、早く正解を見つける力ですね。
それは、「情報収集力」という言葉に表されます。
一方、「納得解」を出すために必要なことは、
最終的に、納得する(させる)ために、必要な情報を編集する力になります。
それは、「情報編集力」という言葉に表されます。
住宅営業に例えるならば、
@デフレ不況
A夫の年収減
B共働き率の上昇
この3つの情報を編集すると、
「子供の面倒を見てくれる」「資金サポートをしてくれる」
親の力が必要になり、親の影響力が増してくるだろう。
「ご両親との面談を必ず設定し、親御さんへの説得ツールを準備しよう。」
ということになります。
そのように、「相手の納得を得る」というゴールを達成するために、
情報を組み合わせて、自分なりの仮説(答え)を組み立てる力
が求められるということです。
日本は、成長経済を前提としたシステムに基づいてましたから、
当然、教育戦略もまた、成長経済に必要な人財を輩出することが求められました。
つまり、正解を早く探し、正確に実行に移す力、
言い換えれば、「正確な情報収集力」と「正確な遂行力」が求められたのです。
学校教育のみならず、社内教育でもそうでした。
答えを持っている(であろう)上司からの指示を受け、
「言われたことをしっかりやる」という方法論が、
組織運営を支配していました。
結果、「指示待ち族」といわれる方が、
どんどん組織に増えていきました。
しかし、バブル崩壊の音とともに、
成長経済を前提としたシステムは崩壊しました。
価値観が多様化し、複雑化し、変化が激しくなりました。
正解を見つけることがどんどん困難になっていきました。
それはまた、求められる人財像も変わっていくということです。
今の時代は、
「“情報編集力”を駆使して、“納得解”を導き出す人財」
が求められるようになりました。
そういう流れの中で、いよいよ学校教育は
変わっていくことを決めたみたいです。
先般、文科省から学校教育の基本方針が発表されましたが、
今後、「情報編集力」を強化していくような方向性に
舵を切っていくことが決まりました。
では、企業内教育はどうでしょうか?
部下に対して、「頭でっかちで、全然動いてくれない。」
お客様に対して、「最近のお客様は難しくて悩ましい。」
と嘆いていないでしょうか?
決して、部下がいけないのでもなく、
ましてお客様が悪いわけでもありません。
それは、「成熟化社会」への変遷においてもたらされた
「正解から納得解へ」というパラダイムシフトなのです。
本当に必要なことは、
「部下に納得してもらうこと」
「お客様に納得してもらうこと」
「そのための情報編集力を身につけること」
なのではないでしょうか?
そして何より、正解の見えづらい住宅業界の未来において、
社員とお客様と一緒になって、より多くの人が納得する
「自分たちが定義する自社のあるべき姿(納得解)」
を見出していき、その解に向かって、
一緒に力強く歩んでいくことではないでしょうか?
▼終わりに
今回は、藤原和博氏の考え方に基づいて、
「正解から納得解へ」というテーマで、お話をして参りました。
とはいえ、考え方は理解できたものの、
「どのようにしたら、部下に納得してもらい、
お客様に納得してもらえるのか?」
「今まで、そのような教育を受けたことないから難しいよ。」
というのが本音のところかも知れません。
日本LCAとしては、
「“情報編集力”を駆使して、“納得解”を導き出す」
ための具体的な育成(強化)方法について、
・お客様に対しては、「ナビゲーションセールス」
・部下に対しては、「情熱マネジメント」
という考え方(プログラム)がございます。
それらについては、私のコラムなり、佐藤や加藤のコラムにて
どこかであらためて紹介させて頂きますので、
楽しみにお待ち頂ければと思います。
それでは、今回はこのへんで。
次回もまた、お楽しみに。
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