「住宅ストック事業の最前線」新進気鋭コンサルタント 小林 大輔
住宅ストック元年
2010年4月26日 03:35
◆はじめに
皆様、はじめまして。
日本エル・シー・エー 住宅不動産事業部の小林です。
2010年は「住宅ストック元年」という言葉が表すように
事業構造が一気に転換される節目の年となりそうです。
そこでLCAとしても、住宅業界のストック事業の
可能性なり、方向性を示唆すべく
「住宅ストック事業の最前線」と題し
新たにコラムを開設させて頂くこととなりました。
皆様に有益な情報を定期的にお届けして参りたいと思いますので
是非、お楽しみ下さい。
◆ストックビジネス元年
さて、早速話を始めて参ります。
まずは大きな視点でのお話から。
「ストック市場」が「フロー市場」を上回る・・・・
いつかそういう時がやってくる、やってくると
言われてきましたが、それはいつからなのでしょうか・・。
実は、もう10年も前から言われています。
そして、2010年にそうなると当時は予測されていました。
そう、今年なのですね。
今年に入って、
"本格的"にストック市場でのビジネスを
展開しなければならないと、
数多くの会社が方針を出している光景を
よく目にしています。
例えば、
「顧客感動満足の獲得」
「全社員のホスピタリティの向上」 といったことや
さらに実益的に
「顧客紹介からの契約○件を目標」
「リフォーム受注の増大」
「リノベーション事業の立ち上げ」
といったようなところです。
ただ、今年がそんな歴史的な転換点だと
なかなかピンとこないのも実感なのではと思います。
これまでの10年で我々の業界も大きな波が数多くありました。
特に、一次取得者層向けの分譲ビジネスが一気に拡大しました。
データ(出来事)で確認してみますと、
5年前(平成17年度)
・新設住宅着工数は123万戸ありました。
・分譲住宅(戸建・マンション)の需要は3年連続で増加しました。
・中古や貸家市場のピークは今から5年後(2015年頃)と予測されていました。
その1年後、
・住生活基本法が施行、(フローからストックへ)が謳われました。
このような時代が最近まであったと思うと、さすがに
ストック市場へ意識を向けようと思ってもなかなかできないものですね。
しかし、その後に起こった様々な「ショック」が5年前の予測を
一気に加速させ、前倒しで変化を起こしているようです。
データ(出来事)で確認してみますと、
今年(平成21年度)
・新設住宅着工数は70万戸台となりそうです。
・分譲住宅(戸建・マンション)の需要は3年連続ダウンです。
・中古流通件数は倍増の勢いです。
・新耐震基準以降の住宅ストックは2000万戸(全ストックの約60%)を超えそうです。
さらに、
・「新築を検討する際に既存住宅も併用して検討」する人が
全体の購入者のうち約40%になっています。
・「リノベーション」に興味あり、ないしは知っている人が
全体の37%になっています。
(いずれも、リクルート調べ)
もうすでに時代を見据え、取り組みを始めている企業様も少なく
ありませんが、今年、2010年はやはりストックビジネスに本腰
据えて取りかかっていくべきなのだと思います。
とはいえ、
「もう少し自社におきかえて実感をしてみたい」
「具体的に何から始めたらいいか、テーマが大きすぎて手順がイメージできない」
とお感じになられている方々も多いと思います。
◆ストック市場の定義
では、そもそも「フロー市場」や「ストック市場」っていったい
どういう定義なのかを見てみます。
諸説あると思いますが、
「フロー市場」とは
「新規顧客の獲得(いわば月締めなら毎月ゼロからスタートする営業活動)の需要」
を創出・算出した市場
「ストック市場」とは
「顧客の獲得から派生した需要」を
創出・算出(厳密には高い確度でその予測が可能な需要)した市場
としてみましょう。
市場が掴めれば、通常、その獲得できる利益を予測できます。
例えば、ある注文住宅会社A社があったとします。
その会社はその多くを住宅展示場や見学会、チラシなどによる
集客によってお客様を獲得していると考えます。
その場合、
A社の「フロー市場」は年間の新規来場客の総計とします。
仮にA社が年間100棟契約しており来場からの契約率が10%とすると
100棟÷10%=1000件 の新規来場客があり、
これがフロービジネスを展開していく上での基準の市場と考えます。
次に、A社の「ストック市場」はすでにお引き渡しをした件数の累計とします。
A社は創業20年を迎えすでに全お引き渡し件数は1300件を超えるように
なってきたとしましょう。
このA社の場合、
「(A社の)ストック市場;1300」>「(A社の)フロー市場;1000」
という図式になり、すでにA社はストックビジネスをはじめてもいい
市場が整備できている、ということになります。
あくまでもこの事例はシンプルにしたものですが、
どのような企業様も
・新規来場客数は減少
・毎年引渡し棟数は増加
という構造には変わりないと思います。
◆おわりに
ストック市場についての事例を見て参りましたが、
「自社のストック市場の定義」について皆様も今一度、今年の歴史的転換点を
自社の環境に置き換えて検討をしてみてはいかがでしょうか。
毎回、有益な情報をお届けして参りますので、
是非、このブログをよろしくお願いいたします。



