「マンション営業 虎の巻」現場密着系コンサル 加藤 有
不況にあえぐマンション業界において勝ち残りのヒントを見出すためのコラムです。
「営業力強化」というテーマを中心に、幅広く経営力UPのためのヒントを発信!
全国接客調査にみる『マンションセールスの弱点』
2010年4月26日 21:35
皆様、こんにちは。
首都圏においてはマンション市況に回復の兆しが見えてきているようです。
先月の契約率は80%超え、そして、新規物件の即完のニュースも
ちらほらと聞こえ始めてきています。
実は、新規販売戸数や在庫の数を見ていくとまだまだ本格的な回復
とは言えず、契約率の高さも供給の少なさが要因で、まだまだ楽観視
できる状況ではありません。ただ、用地仕入れも積極的になりつつ
ありますし、回転の早い戸建て業者の決算を見ると市況の底打ち感は出てきました。
そんな中、約1ヶ月前に「マンションセールス完全攻略フォーラム」と銘打って、
マンションのセールス手法に特化したセミナーを実施させて頂きました。
たくさんの方にご来場頂き、ありがとうございました。
我々もデータでは把握できない部分で、マンション市況が動きつつあることを
実感した次第です。
さて、そんな今だからこそお客様が本格的に動くことを見据えてセールス力を
磨く上での話題をご提供したいと思います。
■マンションセールスの弱点とは?
ちょうど先日のフォーラムでお話した内容の一部をご紹介したいと思います。
我々が全国で行っているモデルルーム覆面調査の中から直近の1ヶ月間に区切って、
集計をしてみました。
非常に興味深い結果がいくつも出てきましたが、結論から言うと、
「マンションセールスはヒアリングが弱い」ということが分かりました。
逆に言うと、「マンションセールスはヒアリングを強化すればもっと売れる」
ということです。
例えば、こういう点は皆さん上手にヒアリングされています。
●希望する間取り・広さ
●年収・自己資金
●希望するエリア
特にマンションのモデルルームでは、来店アンケートにびっしりと項目があって、
お客様にもびっしり埋めて
もらうことが通例化されています。これらは「契約する上で必要な情報」、
「営業にとって必要な情報」で、
皆さん意識をしてしっかりとヒアリングされていると思います。
しかし、ヒアリングはこれだけではないはずです。
■課題は「要望面のヒアリング」にあり
では、どこに弱点があるのか。以下のような点を上手にヒアリングしている
営業は意外と少ないものです。
●今のお住まいで暮らしていて生活上、どういう時に困るのか?
●将来的に住宅を購入することでどんな暮らしを実現したいのか?
つまり「条件面のヒアリング」ではなく「要望面のヒアリング」です。
実際に、全国接客調査において、サンプル数は少ないですが31件の接客から
こういう結果が出てきました。
●現在の住まいにおける立地面(周辺環境)の不満・問題点
について質問がありましたか?
●現在の住まいにおける建物面(設備・間取り・構造)の不満・問題点
について質問がありましたか?

いずれも「特に質問はなかった」という回答は約半数を占める結果となりました。
現在の住居から新しい住居へと気持ちを盛り上げるやり取りを入れる上で、
「今のお住まいの不満点・不具合」を聞き取りすることは大事なポイントに
なってくるはずですが、やや残念な結果となっています。
実際にお客様(調査に行った一般消費者の方)からは次のような声が出てきます。
『現在の住まいにおける立地面・建物面の不満・問題点についての質問が
ありませんでした。自社物件の良さはとても伝わりましたが、今の住居に
特に不満のない私達にとって、比較検討する意識を持つまでには至りませんでした。
もっとこちらの現状の不満・不安等を聞き出し、それを「この物件だったら
このように解消できますよ」という安全・安心・快適部分を印象づけるお話
があれば、お客様の購入意思に繋がると感じました』
さて、皆さんの現場ではいかがでしょうか。
戸建て、特に、注文住宅の接客においては、この「要望面のヒアリング」
のレベルがとても高いです。そもそもお客様のご要望を深く掘り下げて
聞かないと提案が難しいからです。一方、マンションは「立地・間取りが
決まっておりどうしても"落とし込んでいく"」という要素が強いです。
お客様からすると、どちらに魅力を感じるでしょうか?
「自分のことを深く理解してもらえた」「その上で提案をしてくれている」
という実感レベルにおいては大きな差が出るのではないかと思います。
そして、この点は以前と比べて戸建てとマンションの垣根がなくなりつつある今、
マンションセールスの課題になってきます。
お客様はマンションと同時並行で戸建ての検討をしており、「午前中に戸建ての接客を
受けたその足で午後にマンションのモデルルームに立ち寄る」ということも珍しくありません。
「要望面のヒアリング」にこそ我々の営業レベルを向上させる糸口が
あるのではないでしょうか。
そこで、お客様に要望面のヒアリングとして
●今のお住まいはどのくらいの広さですか?
●何か不具合を感じられている点はございますか?
●例えば、よくあるのは「玄関が狭くて靴が乱雑になってしまっている」
というご不満ですがお客様の場合は・・・?
●将来の住まいに期待することは何ですか?
・・・という投げ掛けを入れて、「営業が聞きたいヒアリング項目」ではなく
「お客様が話したいヒアリング項目」を形にしてみてはいかがでしょうか。
ぜひ実践してみてください。



